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■うんち事件

槽の湯は清潔でなければならない。あるいはきれいなお湯にはいることが利用客にとっての願望で、当り前であるはず。ところが困ったことに浴槽に垢はともかくうんちが浮くことが起こる。
この両者は利用客にとってはいやなことは共通性があるがまったく違った問題なのである。

んち事件はどこの浴場でもあることで、人は温浴槽にゆったりと浸かれば体が弛緩するという以外に、浴槽には清潔を保つために循環させる配管と機械装置が取り付けられている。その吐出がうまくお尻周辺をかすめることがあるのである。最近はそれ以外に流水装置などが多彩に配置されるのでそれもまた事故の原因となる場合がある。 ともかく過去の銭湯ではよくあったような気がするが、最近の浴場慣れに乏しい利用客には珍しくもあり、あってはならないことになってしまっていて大騒ぎとなる。

側の対応としては
在館者に詫びて料金の返却、当日の休館、清掃を実施。
事件浴槽をすぐさま全量抜きかえる。その時洗剤を使って洗浄する。
該当物をすくいとり、排水、抜きかえる。
同じくすくいとるだけ。
とさまざま。
店にしてみれば客の前で抜きかえるのがよいが、大量の湯を捨てて、給水加熱しなければならなく、時間もかかり、混雑時におこれば大問題なのである。すくいとるだけにしたくなる気持ちもわからないではない。

因者も、悪気が無い場合もあるがそうでもなく常連者もあると聞く。誰のものか特定できないほうが多いかもしれない。事実垢や見えないが汗、尿など実にどうしようもない問題山ほどあるのだが、なかでも、うんち事件は特別である。該当物の形状が問題となるのである。

もそも一定の有機物が浴槽水に含まれていることは仕様がないところであるが、利用客の数に対して十分な機械的濾過能力を設置することと、滅菌装置が確実に働き、なおかつ新鮮水が一定量補給されながら営業できるように考えられなければならない。その集客数をどう読むかが問題なのである。

Vで話題になったりする予想以上の大量集客を果たしていると豪語するスーパー銭湯は一番恐いのである。

戸期に発達を遂げた公衆浴場の石榴(ざくろ)口などは蒸し風呂と浴槽が一体となったようなもので、発汗をうながしながら沐浴するという機能があり、外光があまり入らず垢も見えない状態で、えもいわれない状況であったにちがいない。
その後の浴場もそのことについてはあまり変わらず、戦後の銭湯も濾過機が登場する昭和30年代まで大きく変化はしないのである。またその時期、自家風呂普及率が低く、公衆浴場おおはやりの時期なのである。高齢の銭湯経営者によると、当時の銭湯の規模で一日1000人も入ったというのである。
どんなに汚かったのだろう想像もできない。 それにしても濾過機を浴場に採用した最初のひとは立派なものだ。
山田幸廣


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