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■ なぜ風呂は和風になるのか? ハンバーグ定食よりも刺身定食のほうが高級、ホテルより和風旅館のほうが高級、着物は高価、洋風住宅より和風住宅のほうが高級というように本質とはかけ離れているようにも感じるが、価値観は確実に変化している。 いま、和風がある種の高級感とつながる心理が働くようになっている。すこし以前ならそんなことなかったのに・・・というのは、生活の周辺は和風というより和そのものだったのである。舶来製品が高級の代名詞であった。現在、片鱗が残ってブランド趣味というような形となっているが過去の舶来製品全般にたいする畏敬の念とは異質ではなかろうか。 昨今、住宅の和室はたいてい一室に限られ、座敷生活が確実に失われ、法事で小一時間の正座すら我慢出来なくなってしまっている。椅子式の会場が望まれる所以である。それほどにこの国の文化というか独自性のあるべきものが変化し、失われていることが実感できる。世代間で和風というものに対する価値観の違いはあるにせよ、無国籍的になりつつあるスタイルにたいし価値を見出しているようにも思える。 それにしても温浴施設を和風にしてしまえば簡単に一定の雰囲気と、高級感を持ったものが出来てしまうのである。 しかし建築のデザインをするものにとって、このことは屈辱的なことではなかろうか。 露天風呂は野趣が命なのだろう。外部であることの証として自然石を組み、石灯篭を置き、庭をしつらえる。東屋を置き、庇をだす。この露天風呂が洋風であるはずがない。それと連続する大浴室や離れもまたしかり 露天風呂は、建物と一体で配置される限り、その外部デザインは和風となる。だからこの連続するエリアは和風でしかない悲しさなのである。和風を要素として咀嚼し理解し組立てなおす作業プロセスを経て現代建築は作られるべきだと考えて設計する人でも、やはり安易に和風なのだろうか。 山田幸廣
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